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長野県教育委員会と近畿日本ツーリスト株式会社（以下 近畿日本ツーリスト）は、部活動の地域展開に係る中山間地における指導者の人材不足といった課題の解消を図るため、ＩＣＴ (情報通信技術)を活用した取組に関する実証を行い、地域の事情に寄らず、子どもたちが多様なスポーツ・文化芸術活動に参加できる事例創出等を行うことを目的とし「令和７年度 ⅠＣＴを活用した地域クラブ活動（オンラインクラブ活動）トライアル事業」を本年10月から実施しています。

＜背景＞

文部科学省（スポーツ庁）の「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革（令和２年｟2020年｠９月）」において、令和5年(2023年)度以降、休日の部活動を段階的に地域のスポーツ活動へ移行する方針が打ち出され、さらに、スポーツ庁および文化庁では「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン（令和4年｟2022年｠12月）」を策定し、令和5年(2023年) 度から令和7年(2025)度までの3年間を改革推進期間として推進する一方、本年5月の「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめにおいては、令和8年(2026年)度から令和13年(2031年)度までの6年間を改革実行期間と設定し、これまでの「地域移行」から「地域展開」へと名称を変更し、休日部活動は原則すべて地域展開を目指すという方針が発表されています。少子化や教員の負担軽減、地域の人材不足などにより、部活動の地域展開（地域移行）は、全国的に喫緊の課題となっています。

長野県では、特に中山間地における少子化や過疎化の進行による存続困難な学校部活動の増加、子どもたちのニーズの多様化と教職員の長時間勤務と指導の負担、さらに都市部と山間部との活動環境の格差が課題となっています。そこでＩＣＴを活用した指導の有効性に着目し、子どもたちが地域事情に左右されず多様なスポーツ・文化芸術活動に参加できる事例創出等を行うことを目的として、本トライアル事業を企画し、業務公募型プロポーザル実施の結果、本事業のパートナーとして、教育旅行および部活動関連事業で豊富な実績を有する近畿日本ツーリストを委託先に選定しました。

近畿日本ツーリストは、これまで修学旅行等を通じて築いてきた教育現場との関係性や、自治体や企業からの様々な受託業務等で培った事務局運営のノウハウ、スポーツや文化芸術分野での多様なパートナーシップを活かし、2023年から部活動を支援するプラットフォーム「部活動サポートサービス」を提供しています。本サービスはすでに30以上の自治体と連携を開始し、支援する部活動・地域クラブ数を増やしております。本事業においても、これまで多くの自治体に対し部活動における地域問題の解決に貢献してきたノウハウを活かし、本社内の教育旅行専門部署と地域に根ざした長野支店が連携し、トライアル事業の運営を担います。

長野県内外の各スポーツに精通した指導者と地域の子どもたちが、オンラインでリアルタイムに繋がり、各競技の専門指導を受けて成長度合いを図ります。

本トライアル事業を通じて得られた成果は、令和８年度以降の地域クラブ活動の在り方を検討するうえで重要な知見となります。
　長野県教育委員会ならびに近畿日本ツーリストは、誰もが質の高い学びと活動機会を得られる社会の実現に向けた事例創出となるよう積極的な取組みを進めてまいります。